日本を代表する経営者のひとりであり個人的にも尊敬する孫正義氏が先日ソフトバンクグループの決算発表をしました。
営業損失1.3兆円、最終赤字9,600億円という数字が大きすぎて逆にピンと来ないほどの赤字でした。
孫さんは今までの決算会見では厳しい状況下でもアッというようなアイデアと思わず笑ってしまうような大風呂敷を広げて独演会のようなプレゼンでした。
今回はどことなく生気に欠け30分ほどであっさり終わった印象でした。
元気を出してほしいと思わず応援しました。
孫さんの高校時代は日本マクドナルド創業者藤田田(ふじたでん)氏の「ユダヤの商法」を教科書代わりにむさぼり読んでいたそうです。
思い余って「直接会い経営の指導を受けたい」と毎日1年間手紙を書き続けました。
上場企業の社長で超多忙な藤田氏が素性の知れない九州の片田舎の高校生を相手にするはずもなく無視され続けました。
余りにしつこいのでとうとう30分だけ会うことを許された孫さんはさっそく上京しました。
「僕は将来日本を代表する経営者に必ずなります。なのでまず何をしたら良いかアドバイスください」と言いました。
「これからはコンピューターの時代だ、すぐアメリカへ行け!」と藤田氏は答えました。
この時藤田氏は日本マクドナルドよりももっと大きなものを生み出したのかもしれません。
こうして孫さんは知り合いの全くいないアメリカへ飛び立って行きました。
藤田氏といえば東大法学部卒ですが一般的な秀才とはかなり違うタイプでした。
東大時代は皇居前の第一生命ビルにあったGHQ本部で通訳のアルバイトをしていました。
そこでウイルキンソンというユダヤ系軍曹と知り合います。
ウイルキンソンはGHQの将校たちに高利貸しして大儲けしていました。
藤田氏はウイルキンソンと組んで中国人2世になりすましサングラスをかけ「ミスター珍」と名乗りさまざまなユダヤ商法を実践していきました。
東大を卒業すると学生時代に取得した米軍相手の特殊輸入業免許証を活かし輸入雑貨貿易業者として藤田商店を設立しました。
朝鮮戦争の休戦で倉庫に眠っていた土嚢をベトナムに売り抜け一晩で当時の金で4000万円
を超える利益を手にしたこともあったそうです。
藤田氏から受け継いだものを孫さんに今一度発揮してほしいと思います。
創業者兼オーナー兼会長兼社長の孫さんのプレッシャーはちょっと想像できないレベルでしょうが私は経営者の端くれとして応援しています。